1-3月期のGDP1-3月期のGDP(内閣府、8:50) 物価変動の影響を除いた実質で前期比1.3%増、年率換算で5.3%増。輸出が微減と なったものの個人消費を中心に住宅、設備投資、在庫が伸びた。内閣府は「内需中心の 成長になっている」との見方を示した。内需の寄与度は実質1.4%、外需はマイナス0.1% だった。GDPデフレーターはマイナス1.2%と3期ぶりにマイナス幅が拡大。実質GDPの 内訳を見ると、GDPの5割強を占める個人消費が1.2%増。1%を超える伸びは2003年 10-12月期以来5期ぶり。暖冬や台風など自然災害の影響で2004年10-12月期に 減少した品目を中心に回復しており、「同期の反動増」(内閣府)の色合いが濃い。 IT関連財消費はマイナス。ただ、流通在庫では電子通信機器は減少しており、 内閣府では「IT関連の在庫調整は進んでいる」との見方を示した。民間住宅は住宅 減税縮小を見込む駆け込み需要の反動減のため1.4%減。設備投資は建設関連や 電子通信、ソフトウエア、特殊産業機械が伸び2.0%増と3期ぶりのプラス。民間 在庫品増加の前期比寄与度は0.4%と2004年10-12月期にくらべ0.2ポイント上昇。 製品在庫の自動車の寄与が大きかった。10-12月には通常増えるが、2004年は マイナスだった。その反動がみられた」(内閣府)。輸出はマイナス0.2%と13期ぶりに 減少。アジア向けの船舶・同修理、特殊産業機械が減ったほか、世界的な需給悪化を 反映し電子通信機器がマイナス。一方、輸入は0.5%増。電子通信機器や水産品、 衣服・身の回り品が伸びたが、伸び率は前期比て1.6ポイント低下。 1-3月期の実質GDP成長率が前期比1.3%(年率5.3%)となったことから、2005年度の 経済成長に向けての発射台を示す「ゲタ」は1.0%。このため政府の2005年度の実質 成長率見込み1.6%は、各四半期が前期比0.2%(年率換算0.9%)成長すると達成できる。 竹中平蔵経済財政・郵政民営化担当相は、1-3月期GDP速報値が年率換算で5.3% 成長となったことについて「景気は大局的に回復局面にあることを裏付ける形になって いる」とした上で、「踊り場脱却に向けた着実な動きがみられている」との認識を示した。 そのうえで、「国内需要を中心に、民間予測をかなり上回る高い成長率。数字だけから みるともはや踊り場という表現は適切ではないかもしれない」と指摘。さらに「消費の 伸びは前期の一時的要因での低迷の反動という側面があり、設備投資や在庫投資は 法人企業統計がまだ反映されていないので、GDP2次速報値の出方をみながら、 最終判断をしたい」と語った。また、「今年の年央にかけて踊り場脱却を期待している との、かねてからの認識に変わりはない」と述べた。 ジャンル別一覧
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